愛媛県美術館のブログ

愛媛県美術館の日々の活動をちょっとずつ書き込んでいます。 美術館の事業準備状況、イベント報告、ある日の出来事などなど、美術館の活動を垣間見ていただけるように頑張ります。

2009年3月31日火曜日

薔薇のつぼみ

  yukinkoです。本日のタイトルは何だかどこか外国の映画の香り漂うアダルト~な感じです。が!決してアダルト~なお話ではありません。念のため。うふ。
 本日はついに展示準備が始まった次回展覧会「薔薇空間」の会場(企画展示室内)から、準備風景のレポート第一弾!をお届けします。
 美術館では、先日まで開催していた「畦地梅太郎展」の余韻も冷めやらぬまま、本日午後より「薔薇空間展」の作品が搬入、展示準備が始まりました。(写真は明日から本格的に始まる展示作業に向けて着々と下準備にかかり始めた、担当学芸員j.bさんの姿です)  

 まだまだ準備は始まったばかりなので、その全貌をお伝えすることはナイショ!ですが、今日から少しずつ、展覧会「薔薇空間」が出来上がっていく様子をお伝えしていきます。と、いうわけで下の写真です。これは、今回展示される作品の展示位置を示すべく、それぞれの作品の写しを(会場に)撒いていくj.bさんの姿です。

 今回展示される作品は全部で295点。上の写真だけではなかなか紹介しきれませんが、ズラっと展示室に並ぶ、295枚の写しを見るだけでも、やがて咲き誇る薔薇の花々が想像できて、う~ん、これは楽しみです。と、その前に・・・
  現在、美術館のある松山・堀之内はもうすぐ満開!の桜の花に包まれて、絶好のお花見スポットとなっています。この春は堀之内で桜を、美術館で薔薇の花を楽しみませんか?展覧会「薔薇空間」は4月4日(土)より始まります。お待ちしてま~す。

                  本日のバラ 《ロサ・エヴラティーナ》

2009年3月30日月曜日

MAYA MAXXライブペインティング。


過日3月20日(金・祝)、京都の祗園にある、何必館・京都現代美術館にて開催された個展の関連イベント、ライブペインティングに参加してきました。今回は個展のための制作も行われた、美術館からすぐ近くの建仁寺にて開催。広い和室がいっぱいになるほどの大盛況でした。

今回の個展のテーマは「十牛図」。これは人生の歩み方を、牛を見つける旅に例えた古い中国の教えを画題にしたもので、日本美術でもよく取り上げられるものです。今回のライブペインティングでもカンヴァスいっぱいに迫力満点の黒牛が描かれました。(携帯&逆光でかなり画質が悪いです。ごめんなさい・・・。)

いつものことながら、大勢のお客さんを前に自分のペースで話し、描くこと、そして小さなお子さんが泣き出しても、その保護者の方が居心地悪くならないように、ちゃんと声をかけてあげるその気遣いも、素敵でした。

MAYAさんお疲れ様~。

そしてお知らせですが、愛媛県美術館では2009年5月28日(木)から7月5日(日)まで「こどものとも」絵本原画展を開催します。その中でMAYA MAXXによる「しろねこしろちゃん」そして「らっこちゃん」の原画を初公開!します。こちらもお楽しみに!

アトリエでも節目の季節・・・



3月は、卒業式、終業式と節目の月ですが、
アトリエでも、昨日、今年度最後のアトリエ同好会の日を迎えました。
そんな特別な思いがあったのか、アトリエには19名の参加者が集まり、染め、織り、紡ぎなどがあちこちで繰り広げられ、アトリエが狭く感じるほど賑わいました。
この1年間、アトリエ同好会では、高機、染色(藍染め、植物染め)、紡ぎ、フェルトなど、染織に関する技法について参加者がそれぞれ自分のしたいことを決め、参加者同士で学び合ってきました。アトリエでの染織の利用者は多く、同好会も毎回たくさんの方が参加してくれました。
参加者は普段アトリエを利用している方たちで、普段の経験から豊富な知識を習得しており、それぞれの制作方法や工夫などの情報交換は、この会に参加するメリットであり、自然と輪が広がっていきました。
また、材料の準備など手間がかかるものなど、一人ではなかなか実践できないものを、何人かで協力し合ってすることで、実現できることもありました。
このネットワークを生かして、4月からも新しいことに挑戦したり、制作のレベルアップに励んだり、創作の楽しみを広げてほしいものです!

4月からのアトリエ同好会は、「版画」を取り上げ、興味ある者が集まり、情報交換や共に制作を行っていきます。初回は4月19日(日)。ちょっと気になる方は、とりあえず、アトリエ1をのぞいてみることをお勧めします!

2009年3月29日日曜日

お出かけ中

他館での展覧会出品のため、先ほど3点の作品がお出かけしていきました。
お近くの方、是非ご覧ください。

●「日本画 描かれた日本の心―文化勲章受章の巨匠38人による」
  会場・会期:明石市立文化博物館(兵庫県明石市) 4月4日(土)~5月10日(日)
         駿府博物館(静岡県静岡市) 5月14日(木)~6月14日(日)
         高岡市美術館(富山県高岡市) 6月18日(木)~7月20日(月・祝)
  貸出作品:前田青邨「鯉三題」(昭和25年)
         福田平八郎「鴛鴦」(昭和40年、武智光春コレクション)
         福田平八郎「初雪」(昭和41年、武智光春コレクション)

2009年3月28日土曜日

審査中です

take4です。
4月18日からはじまる「良寛墨宝展」では、関連イベントとして、県内の小中高生を対象に書写・書道コンクールを開催します。
自由奔放な書を書いた良寛さんにあやかって、お題は自由。2月下旬から1ヶ月間募集をかけたところ、何と総数1600点あまり!ものご応募がありました。ありがとうございました。

今日は、その審査の日。
4人の審査員の先生方にお願いしまして、膨大な数の作品を1点1点、審査していただいております。

会議室でまず1次審査をしたのち、あまりにも量が多いので、2次審査(最終)は、会場を2階の展望ロビーに移して実施。


いずれ劣らぬ力作揃い。高校生ともなると、何とも文人の風格すら・・・。
中には良寛書の定番「天上大風」や良寛さんの和歌を書いているものもあり、ほほえましいです。

厳正な審査の結果、100点を入選とし、さらに各学年で最優秀を1点ずつ選出いたします。
入選者は、各学校へ通知&あいテレビのホームページ等で発表し、入選作品は、会期中に展望ロビーにて展示いたします。
どうぞお楽しみに。

2009年3月26日木曜日

気がつけば・・・


早いもので、畦地梅太郎展も残すところあと3日となりました。ほのぼのとした空気に満ちた展示空間ともお別れかと思うと、少々寂しいboxyです。

おかげさまでグッズの売れ行きも好調で、一筆箋やトートバッグは完売。しかし、まだまだおススメ商品はありますよ~ 特に、種類豊富な絵葉書はお値段もリーズナブル!写真は山男の絵葉書セットですが、このほかにも風景シリーズなどいつくかのセットがあり、1枚50円からバラ売りもOKです。かく言うboxyも早速いろんな人に絵葉書を送ってしまったので、また買う予定です。次はどれにしようかな・・・

2009年3月24日火曜日

木版画を満喫!



年明けから連続していたmi担当の講座も、先週末、ようやく一区切りつきました。
今年度の最後の講座となったのが、「木版画を楽しむ」。
講座の準備などでブログをあげる余裕もないmiに代わって、先週、ブログでA-tashiさんが講座の準備状況と内容を紹介してくれているので、どんな講座なのかご存知かとは思います。

先週末の「木版画を楽しむB」は、2日間で、前回の「木版画を楽しむA」の講座で試してみた技法を参考にしながら、3版で1つの作品を仕上げました。

まず、下絵を描くところから始めます。
すでにラフスケッチを用意してきている人あり、美術館の中でモチーフを探す人あり、それぞれ版画にしたい絵を描きました。

次が、難関の分版(色分解)作業!
多色版画は1色づつ色を分けて版を作り、その色分けした版を1枚の紙に摺り重ねていきます。
1枚の絵をたった3色で色を分けるということ、とは言え色が重なると使用する3色以外の色ができるということ、がなかなか頭の中で整理できず、頭を痛めてました。
分版の方向性が決まると、色毎に版を作ります。
途中どこを彫っていいのか混乱してしまう人もあり、ある程度版ができた段階で、試し刷りを行いました。その摺りをみて、再び彫りの調整。摺りの具合でも違うイメージに仕上がるので、摺りの加減も調整。最終イメージに向けてみなさん調整を怠りませんでした。

調整が終わったところで、いよいよ本番用の和紙に摺ります。

みなさん摺り上がりに一喜一憂しながらも、仕上がった作品に概ね満足の様子でした。「ここをこうした方がよかったかなあ」と、冷静に自作を分析している姿も見受けられました。

今回、受講者が木版画の制作過程を1つ1つ自分で進めることができ、結果、木版画のおもしろさが活かせた作品が仕上がり、担当者としても楽しく、満足のいく講座となりました。これも受講者のみなさんの熱心な取り組みの賜物です。
講座は終わりましたが、また後日、アトリエでみなさんの制作している姿に出会えることを密かに楽しみにしています。
    
出来上がり!(受講者Tさんの作品)

2009年3月21日土曜日

山椒は小粒でぴりりと辛い

本日の土曜講座は、常設展示室での特集展示「心と魂の軌跡―今治市玉川近代美術館の所蔵品とともに」のフロアレクチャー。貴重な名品をたくさんお貸しくださった玉川近代美術館の学芸員Sさんをゲストにお迎えして、boxyさんとともに対話形式で進めていきました。

穏やかな語り口で、何より作品たちに注いでおられるSさんの心からの愛情がひしひしと伝わるひとときでした。
Sさんのアドバイスもいただきながらセレクションさせてもらった今回の展示品。同じ作家でも2館で作風の異なるもの、または交流のあった作家どうしの作品をそれぞれ並べてみたりと、コラボレーションならではの趣向で展示しましたので、そこを踏まえつつ解説してくださいました。

恩地孝四郎、萬鉄五郎の創作版画からスタートし、小出楢重(人物画家・楢重の超珍しい最初期の風景画!)、そしてSさんが最も愛する古賀春江の熊本城を描いた小さな小さな油彩まで―。
玉川近美は「綺羅星のような超有名作家たちの希少な小品」を多く収蔵されるという、非常にユニークなコレクションで知られます。take4も後ろで拝聴しながら、改めてその質の高さを実感しました。
熱心に耳を傾けておられた参加者のみなさんも、各作家の、そしてSさんの「心と魂」が深く強く伝わったのではないでしょうか。

2009年3月20日金曜日

出前ギャラリートーク(後編)

 yukinkoです。とても遅くなりましたが、本日は先日前編をご紹介した、宇和島中等教育学校・高等学校への出前ギャラリートークレポート後編(高等部・定時制クラス)です。本当に報告が遅くなってしまった高校生編ですが、しかし、こうして2週間が経とうとしている今でも、その不思議な『場』の余韻が私の中でずっと続いています。

 そこには、そこにいる『みんな』でその場を『楽しもう』という、隣に座っている「他人」に対する気遣いが感じられました。それは決して、他を出し抜いて自分一人が際立とうとか、他の人間が語る一見、本題とはかけ離れたような言動に眉をひそめたり、舌打ちしたりというような他責的な空気とは全く無縁の場でした。
 yukinko、トークの早い段階からそのことに気づき、「いったいこれはどういうことだろう、何なのだろう」と、ゆっくりとですがでも確実に楽しくなってきているその「場」の司会を務めながら、その理由を考えていました。そして、途中から、トーク作品が変わるたびにいつも真っ先に発言してくれるT君の存在に気づきました。
 トークが始まると、決まって口火を切るT君の作品に対する感想はいつも一見、ふざけた感じに見えるものでした。しかし、実はそれは単に表面的なものに過ぎず、彼の視点は例えば“そこに見えないものまでを含めて見る”という、毎回、非常にするどいものでした。ですので、私もその意見に呼応してT君の感想にコメントをする。すると他の生徒もポツリポツリと発言を始める・・・。その日のトークの現場はそういった現象がどんどん拡がっていました。そして先の、彼が発する“一見ふざけた感じ”の発言が、実は私や他のクラスメートや先生方を笑わせ、リラックスさせ、良いムードを創っていました。心の緊張が解け始めるから、それに連られて他の生徒もだんだん自分の意見を言い始める・・・、また、他のクラスメートが思わずみんなを唸らせてしまうような面白い感想を述べた時には、率先して相手に拍手(エール)を贈る・・・といったような感じで、T君はいつも、みんなを盛り上げるムードメーカーの役目を果たしてくれていました。
 これをバレーボールに例えると、ゲーム開始のボールを投げ入れるのはもちろん私ですが、T君は決まっていつもセッター役で、他のメンバーを励まし、その力で他のメンバーもだんだん自分の力を発揮し始める・・・といった感じです。T君は本当に名セッターでした。                                            
 
 実はyukinko、高校生とのトークはこれが初めてではありません。いえ、正確には司会を務めるのは初めてだったのですが、以前、当館でシュルレアリスムの展覧会を開催した折、ガイドスタッフのsaさんが行った高校生とのトークに参加して、その思考の拡がりに目を見張った、という経験があります。高校生とのトークは大変面白いです。ですがまた、大変難しいともトーカー仲間から聞いていました。それは、とてもシンプルに言ってしまうと彼らが子どもと大人の狭間にいるから、だと私は考えています。
 相手が誰であれ、トーク中、人間として正直に向き合うという点では小学生でも高校生でも何ら変わるところはありません。ですが、ことこの高校生に対しては「大人のごまかし」や「大人からの妙な共感(必要以上のフレンドリーさ、とでも言ったら良いでしょうか。“大人の媚”といってもいいかもしれません)」は彼らが本気になったら、一切通用しない、と私は思っています。口にこそ出さなくても、鋭敏で冷静なまなざしが、こちらをみています。これは相当に恐いです。
 そんな理由で、高校生の面白さを半分感じつつも、一方で「現在(いま)の自分」が彼らの眼前にさらされる厳しさも覚悟し、しかも、はっきり言って今回が初・高校生トーク!だったyukinkoは、それこそ、内心はものすごおおお~~~く、びびってその時を迎えたのでした。(ちなみに、外見からはそうは見えなかったそうです。これがプロです!あっはっは~!!・・・と今だから偉そうに言えます・・・(笑)。)
 しかし、初の高校生トークは、本当に忘れられない、得難い経験となりました。

 このことを、後日、同じ教育普及担当である同僚、a-tashiさんに話すと、「彼らは気持ちの奥が優しいのだと思う」という応えが返ってきました。私もそう思いました。15名の高校生の一言、一言の言葉の奥に、一人一人が持っている優しい気持ちが見え隠れしていました。
 また、彼らと一緒に「みる」ことを楽しみたい、会いたいと思っています。 

2009年3月19日木曜日

付け焼刃と云わないで!!

しばらくブログ更新がされていなかったのに、本日は一気に3本。
展覧会情報、収蔵庫、と来たので、お次はアトリエ1からのレポートです。
左の写真は、今週末の土・日に連続2日間で実施される今年度最後の美術館講座「素材の時間 木版画を楽しむ」の試し刷りをしているmiさんです。

明後日の講座なのに、まだ試し刷り?!と云わないでください。
この講座、3月8日に、この講座の前段階、『技法を試す』が、既に実施済みで、この時、既に方向性は決まっているのです! 

2回目となる今回は、(単発でも充分に楽しんでいただけるようにしていますので、作品制作だけの参加者さんご安心あれ!)、前回の「技法を試す」で試した、新しい?木版画の4技法を用いながら3版からなる自分の作品を制作しようというものです。
前回は、作品の技法を試すことが目的だったので、各技法毎に1点づつ作品制作をしましたが、次は、1つの作品を3版(3色)に分版して、作品を作り上げていただきます。その分版作業をわかり易くするための試作作りに、担当miさんも余念がないのです。


現在、本館では版画家「畦地梅太郎展」を開催しています。畦地さんも木版画家です。創作版画(製版から刷りまでを作家が行う)の先駆者として知られていますが、もともと、正式に版画の勉強はしていませんでした。たまたま刷れた版画に興味を持ち、山や山男など身近な題材をシンプルな画風で制作を続けた人です。
今回の講座は、この展覧会の関連事業として実施するもので、「畦地さんのように、参加者の方と楽しみながら作品を制作したい!(miさん談)」とのことです。

既に、受講者の方は満員御礼の状態ですが、見学は自由! 
この土日、畦地展鑑賞にお越しの際は、アトリエ1を覗いて、新たな作家たちの力作を楽しんでみては如何でしょう?
来年度4月からは、アトリエ同好会として「版画」を実施します。興味をお持ちの方はお声をかけてくださいね。

非水が取り持つ

ブランクを埋めるべく、急に疾走するtake4です。
・・・と言っても、自分のネタではないですが。

昨日・今日の2日間、宇都宮美術館の学芸員Mさんが、調査で来館されています。
宇都宮美術館では、今年11月下旬~来年1月にかけて「写生のイマジネーション―杉浦非水の眼と手」が開催される予定です。日本の商業デザインの先駆者として知られる杉浦非水(1876-1965)は松山市の出身。当館はご遺族から寄贈を受けた多数の作品・関係資料を収蔵しているのですが、その一部をお貸出することになっていて、今回、担当のMさんが事前調査に来られました。

非水担当のboxyさん(手前)とともに、黙々と作品をチェックされるMさん(奥)。特に関連資料類は未整理の部分もあったりするので、boxyさんもこの機にいろいろとMさんと意見交換しながら、新たに判明したことも出てきたみたいです。

他館の学芸員さんとのネットワークは、こういう時にこそ大いに育まれます。作品のことはもちろんですけど、お互いの活動・運営状況(悲観的な話題が多いですが・・・)などについてもいろいろな情報交換が出来ますし。話が盛り上がって、全く別の作品の貸し借りや交換展の交渉が成立することも、無きにしもあらず。

広く生活デザインに関する展覧会に定評のある宇都宮美術館。お話を伺っていても、非常に充実したものになりそうで、楽しみです。お近くの方、どうぞご覧になってください。

なお当館でも、宇都宮での展覧会の前に、常設展で「杉浦非水の眼」と題した展示を開催予定です(6/12-9/13)。非水の収集した資料や遺愛の品などを紹介しますので、こちらもお楽しみに。

ネタ切れといわないで

3月初登場のtake4です。お久しぶりです。
3月に入ってから、ブログの更新ペースがやや落ち気味でありますが、皆断じて、ヒマな訳ではありません!
この時期はどこもそうですが、議会での予算承認や異動の内示等もあったりして、新年度の情報についてなかなかオープンにできないもどかしさもあり・・・。
てな訳で、ようやく春の企画展について、お知らせできる時期が来ましたので、まずは速報です。


この春は、豪華2本立て!1階企画展示室では「薔薇空間」(4/4-5/17、写真右)、2階常設展示室1・2では「良寛墨宝展」(4/18-5/31、同左)をそれぞれ開催します。

「薔薇空間」は、ルイ16世王妃マリー・アントワネットや、ナポレオン皇后ジョゼフィーヌに仕え、宮廷の庭に咲く高貴なバラの花を描いたピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)の銅版画『バラ図譜』を中心に紹介するもの。ルドゥーテは「バラのラファエロ」とも称えられ、『バラ図譜』はボタニカル・アート(植物画)の金字塔と位置づけられています。

会期中には、プロの園芸家の方によるバラの育て方セミナーや、フラワーアレンジメント講座、さらには美術館中庭がプチ・ローズ・ガーデン&カフェに・・・などなど、美術ファンのみならず園芸ファン垂涎のイベントも盛りだくさん。陽春にふさわしくバラ尽くし!です。

かたや「良寛墨宝展」は、江戸後期の禅僧であり、同時に歌人・書家としても高く評価される良寛和尚(1758-1831)の書をたっぷりと紹介します。良寛さんは「子どもと毬つきやかくれんぼをした心優しいお坊さん」として皆さんもご存知でしょうが、その歌・書は奔放かつ高い品格に満ちていて、実に味わい深いものです。

今回の展示では、良寛が最晩年に身を寄せた新潟県長岡市の木村家に残る名品を中心に紹介します。「書は人なり」と言うように、書の世界では、筆者の人格・生涯・精神等が熟しきった果てに生まれる境地ということで、最晩年のものを特に価値あるものとして尊重します。その意味では、今回紹介する一群は、数ある良寛遺墨の中でも最も重要視されているものです。

さらに、安田靫彦、平櫛田中、村上三島といった、良寛を慕った近現代の芸術家たちによる良寛像(絵画・彫刻)や良寛調の書も併せて展示しますので、書はちょっと苦手・・・という方にも、良寛さんをしっかりイメージできるような立体的な構成になります。良寛の書というのは、非常にモダンです。線と点と余白とが美しく交錯して響き合い、何とも明るく軽やか。例えるならマティスのような・・・。堅苦しく考えず、文字の流れを気持ちよくたどっていただければ、何よりです。

take4は、良寛展を担当します(これまでこんな感じで、ぽつりぽつりと匂わせておりましたが)。古い時代の本格的な書の展覧会を担当するのが夢でしたので、がっつり頑張ってます!

華やかさのバラと滋味豊かな良寛―対照的な展示ですが、実はルドゥーテと良寛とは全くの同時代人。両者見比べていただくと、比較文化学的にも楽しめるかもしれません。

2009年3月13日金曜日

作品の門出

a-tashiです。担当のmiさんが忙しくてブログをあげるのに時間がかかるとのことだったので、代理ブログを書いております。しかし、タイトルだけはmiさんに決めてもらおうとしましたが、「何でもいいよ」とのことだったので、「それだったら、『渡部家住宅への門出』にするぞ」と笑いをとったつもりが、「それでもいいよ!」と軽く流されてしまいました。が、その会話を聞いていたyukinkoさんから「卒業のこの時期『門出』っていいよ!」と後押しされ、miさんからも「作品出発?」との声がでて、このタイトルとなりました。

さて、この長い前ふりでお気づきの方も居られるでしょうか? 今月から始まる 渡部家住宅(愛媛県松山市の古民家、重要文化財 )を舞台に、銅版画家・井出創太郎氏が独自の世界を展開するアートプロジェクト 「井出創太郎 その光と記憶Ⅲ」に向けて、当館で寄託を受けていた襖10枚の引き取りに対応すべく、作品の梱包作業を収蔵庫で行いました。

たまたま、収蔵庫で作業をしていたtake4さんも作業に引き入れ、まずは、両面に作品のある襖に取り付けていた木枠をとりはずしています。take4さんの姿勢が不思議だったので、思わずパシャリ。
(ここ最近take4さんはブログをあげていないことが気がかりとのことで、このおちゃめな写真で是非ブログに登場させてほしいとたっての希望により採用)



当館でも、展示したことのあるこの作品は、ソフトグランドエッチングという銅版画の技法を使い、実際の植物(紫陽花や棕櫚、椿)を写し取っています。その版画の作品を昔ながらの襖に仕立てています。

今回は、作家自らが車で作品を引き取りに来られるのですが、本日愛知から広島経由で来られるため、時間の短縮を兼ねて先に梱包作業をしています。(作家の了解は得ています。)襖作品を薄紙と茶紙で2重に包み、板段(板状の大きなダンボール)で外的衝撃が加わらないように、作品を梱包していきました。

この渡部家住宅の展覧会、3年目の今年で終焉を迎え完成します。会期中、演奏会や井出さんの講演会なども行われるので、お花見も兼ねて訪ねてみてはいかがでしょう?

最後に、井出さんが作品を引き取りに来たところを写真に収めてここで紹介する予定でした・・・。すみません。カメラを持参するのを忘れ・・・、井出さんのお写真を撮り忘れましたぁ~。(泣)
井出さんは、展覧会の準備も兼ねて来週末まで、松山に居られる予定とのこと。現在当館の常設展示室3「なぞなぞ美術館」において、井出創太郎さんの「piacer d'amor bush〈蘭塔婆〉ー銅の山 時の便りー」を展示しています。この作品に再会すべく、ご来館いただくお約束をいただいています。もしかしたら、展示室でお会いできるかも?!です。
渡部家住宅の井出さんの展覧会と併せて、当館の常設展示もお楽しみいただけると幸いです。

2009年3月12日木曜日

出前ギャラリートーク(前編)

 yukinkoです。先日のブログでもお話しましたが、去る3月9日の月曜日、当館作品ガイドボランティアスタッフのsaさん、suさん、yさんとyukinkoの計4人で、愛媛県南予地方にある愛媛県立宇和島南中等教育学校・高等学校に美術館初!となる対話型鑑賞法の出前ギャラリートークに出かけてきました。 ・・・途中、ちょっと方向オンチ気味のyukinkoの運転により、あわや高知に行きかけ・・・ましたが(あっはっは)、なんとか無事、時間どおり宇和島南中等教育学校・高等学校に到着しました!  今回のトークは昼と夜の二部構成になっていて、写真にも出ている3作品を使って、昼の中等部2年生4クラス(160名)のトークを4人で、そして夜の部、高等部定時制のクラス(15名)のトークをyukinkoが担当しました。  ギャラリートークはその準備段階でも、まだ見ぬお客さんを想定して、「どんな意見が出るか、楽しんでもらえるか」と、いろいろ考えるのですが、終わった後も毎回、「ああ、あの時のあのお客さんの意見!もっと拡げられたのに、何ですぐに気づかなかったんだろう!(私って)バカや~!!」とか、「さっきの(私の発した)あの一言、お客さんの意見と全く噛み合ってない。余計だ~!!」とか「もういっぺん再チャレンジさせてもらえたら、今度はもっと楽しくできるのに・・・(号泣)」等々、振り返り始めると、頭を抱えたくなる程の反省の嵐で、しばしヘコみます。
 そして今回も、中等部のトークが終了するやいなや、どど~んと恒例のそれぞれのトークの反省+お互いの経験の共有会が(なんと校長室で)、始まりました。(・・・もっというと実は帰りの車の中でも行われていたのですが・・・ははは。)
 しかしこの反省会、自分の担当したトークの振り返りもさることながら、他の人が担当したトークの経験談(失敗・成功その両方)を聴くことで、次回に向けてのお互いの糧に本当につながっています。
 と、ここまで聞くと、いつも反省ばかりしているように見える、我が作品ガイドスタッフチームですが、反省会は何も『後悔の嵐』だけではありません。反省の中にも、トークを通して出会った新たな鑑賞者との『勇気が湧いてくる出会い』に、担当はもとより、スタッフ一同、『感動の嵐!!!』になることも、まためずらしくありません。そして今回もそんな出会いがありました。次回は夜の部、高等部・定時制クラスのトークで出会ったT君の力についてご報告します。

2009年3月11日水曜日

友の会新規会員募集開始!

昨日の3月10日(火)から来年度、21年度の受付が開始になっています。
友の会担当のkuoさんは、現在、南館3階で開催中の友の会展の対応、年度末の理事会の対応と職務に追われまくり、ブログの書き込みまで手が回っていなかったので、代理あげをすることにしました。
昨日から受付開始ということで、アルバイトさんにも来てもらい準備万端整えていた友の会。しかぁし、受付開始のお知らせが月曜日に届いているはず・・・が、何の手違いか火曜日午後になって届いたらしく、昨日の午前中は書き換えの方も少なかったようです。
打って変って、本日は、ひっきりなしに書き換えの方や新規の方が来られています。名簿一つで動いているので少々お待たせすることもありますが、来年度からは会員番号が据え置きになったので、今年度の友の会カードをご持参いただくとお待たせする時間が短縮されます。ご協力をお願いします。

友の会会員証の写真は、毎年、美術館の所蔵作品からリストアップされています。毎年、記念にとっているよ!と嬉しいお言葉もいただく、この会員証。今年度は現在開催中の畦地梅太郎の図版でした。来年度は、大変久し振りに『書』の作品となっております。お楽しみに!

さて、友の会教室にお入りになられる場合は、今月18日までに教室入会の希望だけはお出しいただく必要がありますが、それ以外の方は、次回の展覧会4月以降でも展覧会鑑賞の5分程度前に南館のふれあいアートセンターにお越しいただければ、すぐに発行することが可能です。
来年度も楽しい展覧会が満載です! 引き続きご加入をお待ちしています。

2009年3月6日金曜日

移動しました!

またまた、a-tashiです。ほぼ毎日、書かれていたブログもちょっとお休みが出始めている感じですが・・・。ネタ探しをしておりました。
3月に入り、お別れ遠足も増えております。昨日も小学校2校、幼稚園1園が来館してくれました。これを話題にしようと、yukinnkoさんが来館時の注意事項を2F研修室でしているのを撮りに行きましたが、この研修室 入り口が一つで、よく分からない画面になってしまったので、他のネタ?!と探していて見つけました。約1か月前のことですが、まだ"びーぶろ"でご紹介していなかったのです。




憶えていらっしゃる方も居られるでしょうか?! 昨年11月30日の開館10周年の記念日に催した『小清水漸によるワークショップ みんなの作業台』で本当にみんなで共作した作業台です。新館1F企画展示室の入り口に展示しておりましたが、常設展示「アートの散歩道」が終了して、畦地展が始まる展示替えの際に、『みんなの作業台』も移動してました!(ということで、既に1か月が経とうとしています。報告が遅くなりすみません。。。)


1Fの企画展示室前の壁の前から、2Fの展望ロビーに置き換え、作業台もまたまた違った表情を見せています。ガラスの向こうに前庭の楡の木や、競輪場跡地の樹木も見えるこの場所に、しばらく展示させていただくことにしています。枝についている伊予柑も、すっかり色も触感も変化しております。
ワークショップに参加された方も、見学の方も、展示室で鑑賞の合間に是非覗いてもらえればと思います! お待ちしております!

2009年3月4日水曜日

私、不器用なの!

ご無沙汰しているa-tashiです。今日はアトリエでほぼ一日を過ごしていました。というのも、本日は、「アトリエ ワークショップ」で『紡ぎ』の依頼があり、紡ぎ車の使い方をお伝えしながら、そして、まだまだ最初だから!と元気付けをする役目をしていました。アトリエでは、初めてアトリエを使ってみたいといわれる方のために、「はじめてのアトリエ教室」で”織り”と”シルクスクリーン(版画)”を水曜日の午後開いています。 その2種目が要望が多いからなのですが、今回のようにこの2種目以外でアトリエを使ってみたい際には、「アトリエワークショップ」という形で、利用者の要望に応えながら、また利用者の日程とこちらの日程を調整して実施することがあります。

先月、「はじめてのアトリエ教室」で”織り”を体験されたお二人とその方たちの友人(30年来の織りの名手)がアトリエで紡ぎをしているのを見て、「紡ぎもしてみたい!!」とワークショップの依頼を受け付けていました。
3名の方に、それぞれお好きな羊毛を用意していただき、「最初から上手くいく人は、ほんの一握り。ほとんどの方が、両手と足が違う動きをするのに戸惑い、できない!と思われますが、忍耐で、400g程度をつむぎ終わるころには、スイスイと紡ぎ車の使い手!になられているので、忍耐あるのみです!」とワークショップを受け付けた際にお伝えしていました。
今回の参加者は皆さん、キリムがお好きな方々なので、すっかり、その気分で羊毛を用意されてきていました。紡ぎ車の使い方を説明し、車輪を回してみているあたりは、「早く!紡ぎたい!」という気分がビシビシ伝わってきていたのですが・・・。
右足で、ゆっくり踏んで車輪を回しながら、左手で羊毛を持ち、右手で撚りの調子を見ながら紡いでいくとなった瞬間。 

?!?!?!?

泣き言も聞こえてくるようになり、羊毛を各自用意した量の多さにため息をつく始末。
しかし、「絶対私には無理!」「私不器用なの!」と皆さん云われますが、400gが紡ぎ終わるころには、スイスイと紡ぎ始めるのです。実際、本日アトリエに居られた経験者も、「そうそう、そういいよった(笑)」と今回の3名を励まされていました。
今回の3人も「私には向かないみたい・・・。」「細い糸が作りたいのに・・。なんで?」と云っていましたが、忍耐で夕方まで頑張り、次回の予約も入れていきました。
でも、如何でしょう?ちょっと撚りがきつ過ぎる感も否めませんが、堂々たる毛糸ができあがっているでしょう? 3名の方々、今は忍耐です! 直ぐに、「紡ぎって楽しいのよぉ~!」と宣伝してくださるようになるはず!
まだまだ、寒さも身にしみますが、梅も桜も咲き始め、春を感じるこの季節。皆さんも、新しい創作にチャレンジされてみませんか? 是非、一度アトリエを覗いてみてください。 織りや染め、版画や木工と皆さん楽しく創作されています。といって、アトリエは個人の活動の場、来られた日に偶々誰もいなかったなんてこともあるやも。
しかし、下記の日程なら、同好会として有志が集まり活動をする日としています。誰か何をしているはずです。
※今月29日(日)は、今年度最後のアトリエ同好会「染織」を朝から開催しています。
※また、来月19日(日)から、来年度のアトリエ同好会「版画」が午後から始まります。

2009年3月1日日曜日

梅太郎ツアー。


 会期中毎週末に開催中の、畦地梅太郎展の対話型鑑賞プログラム、「ヤッホー!!山男トーク」チームのボランティアさんたちといっしょに、勉強会を兼ねた梅太郎ツアーへ行って来ました。今日のルートは、法華津峠を回って鶴島城へ行き、締めは三間の畦地梅太郎記念美術館でした。

 これらの写真は全て宇和島の鶴島城です。桜の花も咲き、小鳥も鳴く長閑な風景。城から見下ろす青い海も、入り組んだ岬や島の形もはっきりと見え、とても気持ちよかったです。
 ←こちら天守閣から望む景色と作品の図版を照らし合わせて確認中。見下ろすと下のように九島山の様子がきれいに見えます。
                  
 
 
 
 
 
 
 また梅太郎が16歳で家を出るとき、送る父と2人で宇和島へ歩いて向かった道のりを、車で逆送しました。記念美術館では、当館では展示していない作品はもちろんのこと、さらには作品と合わせて版木も見ることができ、大変面白かったです。当館の展覧会との共通券も販売中です。ぜひ二つ合わせてご覧ください。

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