愛媛県美術館のブログ

愛媛県美術館の日々の活動をちょっとずつ書き込んでいます。 美術館の事業準備状況、イベント報告、ある日の出来事などなど、美術館の活動を垣間見ていただけるように頑張ります。

2009年10月23日金曜日

一万人突破!

 好評開催中の「ピカソと20世紀美術の巨匠たち」展。昨日一万人目のお客様を迎え、館長から記念品の贈呈がありました。 おかげさまで平日もなかなかの賑わいで、常設展を丁寧に見てくださる方も多く嬉しい限りです。  展覧会も見ごたえ十分ですが、もうひとつのおススメはやはり特設ミュージアムショップです。出品作品に関するグッズの他にも、ドイツのクリスマスオーナメントやレース編みなど盛りだくさんです。

 スタッフの方によると、特に人気なのがピカソの作品を使った切手セットで、入荷してもすぐに売れてしまうとか。そして、boxyが目をつけているのは動物キーホルダー。くたっとした感じがなんとも可愛らしい動物たちも、一度売り切れ再入荷したとのこと。展覧会にお越しの際は、ぜひショップものぞいてみてくださいね。

感・心

  おひさしぶりのyukinkoです。実はこの一ヶ月ほど、例の新所蔵品図録について、編集委員会の最強コンビa-tashiさんとtake4さんのモ~レツに厳しくも、でも!本当はあたたか~いダメ出し校正に合い、毎日毎日泣きながら作文書き直しを行っていました(ウソ・笑)。でも、原稿内容は当初より格段!に良くなってきました(これは本当です) 。
 というわけで、この一ヶ月はブログ書き込みまで・・・体力が、もも、持ちませんでした~。(前回予告した、『高等学校トーク・後編』については近日中にお届けしま~す)
 さて、書き直し原稿のメドもなんとかついた本日、次回展覧会「円空・木喰(もくじき)展」の担当者take4さんから「ハイ!」とあるものを渡されました。それは・・・take4さんが、苦闘につぐ苦闘の末創り出した円空・木喰展の展示構成図面です!
 実はyukinko、今回も展覧会の運営についてtake4さん、a-tashiさんとともにチームを組みますが、展覧会期間中、教育普及関係のプログラムを実施していく上で、この展示図面は非常に重要な情報となります。 しかし・・・う~む、改めて展示図面(上の写真)を見せてもらうと、本当にテトリスのようで(でも本当のテトリスよりもはるかに展示構成は難しいです)、take4さんの仕事の跡がずっしりと感じられます。すごい・・・。
 さて、現在「ルートヴィヒ美術館展」真っ最中の美術館ですが、着々と「円空・木喰展」の準備が進められています。来月15日にはスタッフのレクチャーも始まりまります。がんばりま~す。

2009年10月17日土曜日

つつみびと

先ほど、奈良県立美術館での特別展「神話―日本美術の想像力―」に出品するため、当館所蔵の安田靫彦《守屋大連》がお出かけしていきました。
















take4と先方の学芸員さんとで作品の状態を点検したのち、同行の専門作業員さんが、輸送中の振動や衝撃による影響を抑えるために、丁寧に梱包していきます。

この梱包作業、特に熟練の方がされるのを見ていると、ホレボレしてしまうほと美しくムダがありません。文字通り「職人技」「匠の技」といっても過言ではないのです。
先日、NHK「プロフェッショナル」でも阿修羅像を輸送する作業員さんに密着していましたので、「へえ、こういう仕事があるんだ」と初めて知られた方もいらっしゃったかも知れませんね。学芸員としては、一緒にお仕事をする機会の最も多い方々です。

唐突かも知れませんが、映画『おくりびと』での納棺のシーンを見ていて、take4が真っ先に連想してしまったのがこの梱包作業でした。主演の本木雅弘さんが、納棺の作法を「茶道のお手前のよう」だと形容されていたのをどこかで読みましたが、あのシーンには、確かにお茶席のような雰囲気と同時に、美術品・文化財の梱包作業に実際に立ち会っている雰囲気がフラッシュバックしたんです。

われわれ学芸員は、よく作品の扱いについて、「赤ちゃんに触れるように」と初めに教えられます。それだけ美術品はデリケート。
さらにもう一つ重要なのは、「どんな作品であっても、触るときは皆平等である」ということ。
美術品や文化財には、確かに学術的・市場価値的な意味での上下・優劣というのは存在しますが、ひとたび自らの手で扱う場合においては、同じ段取り・精神状態で向き合わなければならないのです。いちいち作者の名前や評価に左右されているようでは、一人前の学芸員とは言えません。要は「作品の材質・構造・コンディション」を第一に確認しながら、常にフラットな精神状態を維持して作品に向き合うことこそが、プロフェッショナル。「つつみびと」たちの美しい仕事を見ていると、こちらも身が引き締まります。

さて、前置き(?)が長くなりましたが。
この「つつみびと」たちの技を、近々当館でご覧いただける機会が来るんです!
「円空・木喰展」会期中の来年1月10日(日)、関連イベントとして開催する「プロから学ぶ美術品の取り扱い」がそれです。
美術輸送専門の作業員さんを講師に迎え、実際に当館の所蔵品を使って、開梱→展示→梱包という一連の流れを実演するものです。普段は、裏舞台で人目には触れることのないこうした作業を、ナマで見られる貴重な機会ですので、是非ご参加ください。
お問い合わせは当館普及係まで。

2009年10月16日金曜日

レキジョ/ブツジョ紹介(3)

さてさて、大トリを務めてもらうのは、学芸課臨時職員のKさんです。
千手観音さながらの迅速な手際で(しかも淡々と)、雑務をこなしてくれる逸材です。
実は彼女がレキジョであることは、ほとんどの職員も知りません。take4は、密かにその引き出しの多さに気づいてましたので・・・いつかフィーチャーしたいと思いつつ、満を持しての登場となりました。

しかもKさんは、最近何かと話題をさらっている「城マニア」でもあるらしい(「シロジョ」と言うのだろうか?)。流行の先端ではないか!
昨日ご紹介したTさんと2人で、先日熊本まで車で出かけ、熊本市現代美術館での「井上雄彦展」と熊本城をセットで見てきたらしい。ということで、今日の写真は松山城をバックに、バガボンド!
それでは、恒例の質問タイム。

①好きな歴史上の人物は?
 北畠顕家/島左近
 ※君主に従い信念を貫き通したかっこよさに惹かれます。顕家は北方謙三の『破軍の星』を読んで好きになりました。
②好きな仏像は?
 十二神将
 ※主役の仏を盛り立てる「脇役」としてのかっこよさ。
③愛媛県美のオススメどころは?
 意外な著名作家の作品がたくさん所蔵されていること。
 職員が皆ユニークなところ(笑)。
④「円空・木喰展」に向けて一言!
 実は仏像にはこれまであまり興味がなかったけど、特に木喰仏のあのスマイルにやられました。皆さんもキュンとしに来てほしいです。
【番外】好きな城は?
 ベタですが、やっぱり熊本城(笑)

いかがでしたか?
日に日にマニアックな答えが出てくるあたり、さすが華麗なるレキジョたち。
館内にはまだ「隠れレキジョ/ブツジョ」が潜んでいるかもしれません。また新人発掘の暁には、続編があるかも・・・。

最後に。
当館とあいテレビのHPにそれぞれ「円空・木喰展」紹介ページが出来ましたので、どうぞご覧ください!
 ・当館紹介ページ
 ・あいテレビ紹介ページ

2009年10月15日木曜日

レキジョ/ブツジョ紹介(2)

2番手は、昨日に続いて同じく常設展示案内員のTさんです。
天才的な気配りで、こちらの行き届かない部分をいつもフォローしてくれる頼れる存在です。
文学・芸術からマンガ・芸能ネタまで、その興味・知識の幅も広い!
それでは、一問一答。

①好きな歴史上の人物は?
 塙保己一(『群書類従』編者)/上杉鷹山
 ※長い年月をかけて一つの事業を完遂させたストイックさを尊敬します。あと字が美しい男性ということで藤原行成(笑)。
②好きな仏像は?
 奈良・興福寺の仏頭
 ※初めて写真を見た時は「頭だけ」というインパクトに衝撃を受けてしまいましたが、実物を見ると大きさと端正な表情に感激。
 奈良・法隆寺の夢違観音/奈良・中宮寺の菩薩半跏像
 ※穏やかな表情がたまりません。
 馬頭観音全般
 ※観音さまなのに激怒しているのが面白い。だけど動物供養の仏という優しい側面がまた面白い。
③愛媛県美のオススメどころと言えば?
 何と言っても2階の展望ロビーからの松山城の眺めです!県外からのお客さまには必ずオススメします。
④「円空・木喰展」に向けて一言!
 四国ではこれまでまとめて見る機会のなかった柔らかく優しい表情の木喰仏が楽しみ。円空は木端仏ラブです。

うーん。2人目にして、なかなか渋いツワモノぞ。
次回大トリは・・・これまた面白い方です。

2009年10月14日水曜日

レキジョ/ブツジョ紹介(1)

予告通り、愛媛県美選りすぐりのレキジョ/ブツジョ3人をご紹介します。
トップバッターは、常設展示案内員のMさんです!
毎日多くのお客さんとじかに接する重要なポジションのお仕事ですが、いつも朗らかで笑顔がチャーミングな方です。しかも、大学時代は西洋史を専攻していたという筋金入りのレキジョ!
それでは、一問一答。

①好きな歴史上の人物は?
 エリザベス1世/徳川家康
 ※基本的に策略家が好き。
②好きな仏像は?
 奈良・東大寺の大仏&南大門の仁王像(運慶・快慶作)
 ※実物の巨大さには圧倒されました。仁王は西洋彫刻のような肉体表現に感動。
③愛媛県美のオススメどころと言えば?
 郷土ゆかりの作家が豊富にコレクションされているところ。
 最も好きなのは野間仁根。真鍋博、田窪恭治もオススメです。
④「円空・木喰展」に向けて一言!
 オーソドックスな仏像展にはない素朴さや温かみが魅力なので、作品(オブジェ)として純粋に楽しめると思います。

ありがとうございました!
次回に続きます。

2009年10月12日月曜日

カメラを使わない写真?

10月6日(火)、小野中学校に招かれ、a-tashiさんとともにフォトグラムのワークショップを実施してきました。
小野中学校では、「小野中アートフェスティバル」という、様々な創作分野の外部講師を招き、生徒が各自興味のあるプログラムを選択し、創作活動を行うイベントを毎年実施しています。
今回、美術館のプログラムとしては、フォトグラムを行いました。

フォトグラムというのは写真技法の1つで、暗室の中で印画紙の上に写したい素材を配置し、感光させ、現像処理を行うと、素材の影が白く像を残す写真です。言わば、レントゲン写真のイメージです。


まず、学校には暗室がないので、調理準備室をダンボールで窓を塞いで、暗室づくりを行いました。小さな穴の光も逃さず埋め尽くし、光のない部屋の出現にみんなの気分も盛り上がってきました。

立派な暗室が完成すると、お待ち兼ねのフォトグラム制作。

まず、フォトグラムはどういう写真なのか確認する
ために大きな印画紙の上にみんなで植物や文具を並べ、写してみることに。
印画紙を現像液に浸し、紙にじわじわと像が浮かび上がってきて瞬間は、思わず驚きの声が上がりました。
どういうふうに写るか確認ができた後は、各自のフォトグラムの作品制作。
 植物や文具、画用紙を好きな形に切ったものを並べての絵作りをしました。
自分のイメージしていたものにならず、落ち込む生徒をいましたが、その反省を活かして、しっかり次の作品に臨んでいました。すっかりフォトグ
ラムにはまってしまった生徒もいたようで、まだまだ続けたいという雰囲気の中、ワークショップは終わりました。


今回、参加者それぞれが自分ならではの絵作りができたことは、担当者としてもうれしく、楽しいワークショップになりました。
ここでの作品は、今度小野中学校で開催する文化祭で展示されるそうです。いい作品が出来上がりましたので、ぜひ見に行ってみてください。

講座も頑張ります!

お久しぶりのa-tashiです。
ブログにはご無沙汰していましたが、ちゃんと?!収蔵品図録の原稿執筆(a-tashiは少ないですが)・校正、年度末の展覧会準備、もはや来月に迫った開館記念日事業と、お仕事には勤しんでいました。
美術館の今の情報を、それぞれの活動を小まめにブログに掲載しよう!と「び~ぶろ」が始まりましたが、日々の活動を写真に残し、それをまとめあげるとなると、あ!これをアップしよう!と写真は撮っても、記事を書き上げる時間を作れなかったり、写真を撮り忘れたりとブログの掲載から遠のいてしまっていました。(すみません)
その間にもブログネタになるような創作活動も色々としていたのに。(ぐすん) ワークショップ(藍染め・べんがら染め・紡ぎ)を開催したり、松山市立小野中学校のアートフェスティバルに美術館枠で参加したり、芸術の秋となり美術館来館が増える学校団体対応と様々な活動をしていたのです!

そこで、地道なネタも一つ。来月の講座準備として先日2回目の試作つくりに勤んだので、その「キャンドルつくり♪」を、その予告を兼ねてあげることにします。
これが、試作の数々です。今回のキャンドル作りは、蜜蝋を使い、素朴な風合いの残る小さめのキャンドルを作る予定です。
①蜜蝋を溶かし、中央の糸を浸けては持ち上げ乾燥、また蜜蝋に浸けて持ち上げ乾燥を繰り返し、まるでバームクーヘンのような作り方で、太く(1センチ程度)にしたもの
②beeワックスを切って、糸を中心に入れて海苔巻きのように巻いただけのもの
③蜜蝋をお湯に浸けてやわらかくしたものを粘土のようにこねて形づくりしたもの 
などなど色々と試しています。この中からどのような講座にするべきか・・・。a-tashiは、頭を悩ませています。
が、まずは、ご興味をお持ちの方! どうぞ、HPから講座のお申し込みをお待ちしています!!!
11月8日と12月6日、いずれも日曜日の午後開催です。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています。

2009年10月11日日曜日

仏女

タイトルは「ブツジョ」と読みます。
歴史好きの女性を「レキジョ」と呼ぶことは、すっかり定着した感もありますが・・・さらにそこから派生し、最近は仏像好きの女性を特化して「ブツジョ」と呼ぶらしい。なるほど。

今年、東京と福岡で開催された「国宝 阿修羅展」では、「天平の草食系美少年」とまで称えられた(?)かのお像を一目見んと、若い女性たちが殺到したそうですが・・・最近の古美術系の展覧会はどこに行っても、確かに若い方、とりわけ女性の姿が増えました。take4が美術史を学んでいた学生の頃(10数年前)までは、日本の古美術の展覧会は、まだまだ「地味」「古臭い」「とっつきにくい」・・・なんてイメージでしたが、それも遠い昔。今や誰もが知る存在となった伊藤若冲を筆頭に、テレビや雑誌でも日本の古美術の特集があれこれと組まれ、老いも若きも古美術ブームと言っても過言ではありません。愛媛県美でも、昨年開催した「八犬伝の世界展」「ベルリン国立アジア美術館所蔵日本美術名品展」では若いお客さんをたくさん見かけ、take4もひしひしとそれを実感したものです。

ただし、日本美術の面白さは、若冲や阿修羅だけではないのですよ!
せっかく若い世代の皆さんが、自国の古い文化芸術に興味を持ってくださっているこの好機、一過性のオシャレなブームで終わらせないためにも、日本美術の奥深い魅力を、いろいろと頑張って発信していかねば。全国の古美術系学芸員は今しばらく勝負の時ですね。12月開幕の「円空・木喰展」も、たくさんの「ブツジョ」の方々が来ていただけるように(もちろん男性諸氏もね)、鋭意準備中です。

あ、そうそう。この愛媛県美にも学芸員の他に、レキジョ・ブツジョが意外に大勢いるのです。
次回はそんな彼女たちをご紹介します。

ちなみにただ今take4、別件で訳あって白洲正子について勉強中。
そういや、元祖「レキジョ/ブツジョ」と言えばこの人かも。

2009年10月5日月曜日

見参!

「ピカソと20世紀美術の巨匠たち」展もはじまってまだ数日・・・というところですが。
今日、次回企画展「円空・木喰展」のポスターとチラシが完成・納品されましたー!
早速、館内に掲示・配置しました。ピカソ展と並べると対照的な趣きですが、ピカソのインパクトには全然負けてませんよ。
今回はデザインが確定するまで、予想外の紆余曲折あり・・・予定より数日遅れてしまいましたが、満足いく仕上がりになりました。

ポスターは、いかにも仏像展らしい重厚さを前面に出して渋~く決めましたが、一方チラシのほうは。
左がオモテ、右がウラです。
特にオモテ面は、作品の組み合わせや基本的なレイアウトは、ポスターと全く同じなんですが、思い切った配色にしたおかげでインパクト大!
円空・木喰仏の一番の魅力と言えば、独創的で斬新な表現と、力強くも親しみのある造形センス。手元でご覧いただくことになるチラシは、あえて上品にはまとめず、キッチュさとワクワク感が出るようなねらいで作りました。デザイナーさんがいろいろ試行錯誤して考えてくださったタイトルロゴも、カッコイイでしょ!? かなり気に入っております。

来週には、県内各所で前売券販売も始まります。ポスター、チラシもあちこちで目に触れることになると思いますので、どうぞ足を止め、お手に取って&お持ち帰りになって、開幕をご期待ください!

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