愛媛県美術館のブログ

愛媛県美術館の日々の活動をちょっとずつ書き込んでいます。 美術館の事業準備状況、イベント報告、ある日の出来事などなど、美術館の活動を垣間見ていただけるように頑張ります。

2009年11月30日月曜日

てしごと市

昨日の開館記念日の一大イベントとして、前庭で開催した「てしごと市」のご報告をさせていただきます! 
ご無沙汰してます。a-tashiです。

さて、開館9周年の時から続いている手作り品のフリーマーケット。今年で3回目を迎えました。
もう、恒例?と云えるようになったでしょうか?! 今年は35グループのお申し込みから26グループに絞らせていただき開催しました。

数日前までの曇り後雨の天気予報に、ドキドキで準備を進めてきました。が、出店者の方々の人徳でしょうか? 晴れ間も覗き、まずまずの気温もあり、順調な滑り出し。様々なイベントが各所で開催される予定になっている中、美術館にいったいどれだけの方にご来場いただけるだろう?!?!?!と心配していましたが、10時の開店前から、人が各店を訪れはじめ、あれよあれとという間に、この様子!


ビーズ小物、染織品、シルバーアクセサリー、オリジナルTシャツ、写真、陶磁器・・・、様々な商品が並び、来られた方々の目を楽しませ、また、会話に花が咲いていました。a-tashiも今年は、受け付けなどの当番で、この会場を行ったり来たりしながら、商品を実際に手に取り、来場者の方や出店者の方とお話を楽しみました。(しっかり、商品もゲットしてしまった。でも、一番のりは控えましたのでお許しを!)
フリマの楽しみの一つとして値切り!から始まる会話も面白味の一つと思っているa-tashi(制作者の方、ごめんなさい! しかし、値切れないという意気込みや制作の大変さを面白さを聞けるのも、創作者が販売しているてしごと市の良さ!だと思うのです!!!)、しかし、松山の方はおとなしい方が多いと見えて、あまり値切ろうとされる方が少ない?!などという声も聞こえていました。
途中、2時過ぎからパラパラと雨がぱらついたかと思うとあがるという変な天気になってしまいましたが、お客様もずっと途切れることもなく、来ていただき無事に4時の閉幕を迎えることができました。参加者の方&ご来場の皆様ありがとうございました!!!

参加者の方々から、「来年もありますか?!」との嬉しい質問をいただきました。
また、来年も引き続き、てしごと市を実施したいと思っている担当者たちです。
雨天時の場所や、貸し出せるものなど制約も多くある美術館での「てしごと市」ですが、これからも実施していくことを想定して、ご助言やご提言などありましたら、是非お待ちしています! 様々なお声をお聞かせ下さい。もっと、楽しい「てしごと市」にしていきましょう!

2009年11月29日日曜日

11回目のバースデイ

11月27日に、愛媛県美術館は満11歳の誕生日を迎えました!
毎年、一番近い日曜日に開館記念日イベントを開催しておりますが、今年は今日がその日。
ということで、終日、館内・館外では様々なイベントを開催。
順次、レポートしていきたいと思いますが、まずは学芸係担当の2つのイベントから。

1つ目、午前中に開催したのは「あなたも照明デザイナー」。
昨年の開館記念日に開催した「屏風の居場所」の発展形(?)といいますか、普段は気に留めることはないけど、実は作品を展示・鑑賞する際に、きわめて重要な要素である「照明」に焦点を当てた体験イベントです。

まずは、常設展示室で展示中の作品を見てもらい、作品の形状や材質によって、照明の種類や当て方が異なっていることを確認。その後は、まだ「円空・木喰展」準備前でカラッポ状態の企画展示室を使って、当館の所蔵品に参加者それぞれが、「作品を美しく魅せる」照明を考えてもらい、実際に照らしてみました。

今回使ったのは、愛媛出身の現代美術作家・田窪恭治の《イタリアの印象―時の窓》というオブジェ作品。廃材や木の枝を使い、上半分には金箔が貼り込めてあります。金色というのは、光の加減で変幻自在に表情を変える素材ですし、作品の上下で質感も違います。我々学芸員でも、かっこよく見せようと思うと、なかなか手こずるタイプの作品・・・。

参加者は3組。下は何と小学1年の男の子!皆それぞれに、カッコよく美しく作品が引き立つライティングを考えてもらいました。

結果は三者三様。
皆さん、金色の部分に着目しながらも、それぞれ「作品に直接当てて金色を強く輝かせる」、「背後の壁を明るくして、逆光気味に光らせてみる」、「作品の影を壁に落としてドラマティックに見せる」と、全く違った当て方になりました。
うーん、初めてとは思えぬセンスの良さと個性!お見事でした。

照明一つで作品の表情がこんなにも変わること、そして展示のための照明は、制約(「保存」という観点からの照度の限界)と「出来るだけ明るく美しく見せたい」という主張とのバランスで成り立っていること・・・などに、気付いていただけたのではないかと思います。

午後は、原田平作名誉館長によるフロアレクチャー。昨年までは、講堂での座学形式の記念講演会を行ってきましたが、今年はちょっとカジュアルに・・・ということで、常設展示室で作品を前にお話を。しかも1時間×2回!それぞれ、当館のコレクションの大きな柱となっている西洋絵画と福田平八郎について時折図版や資料も交えてお話しました。
今日は、常設展(所蔵品展)は入場無料ということもあり、多くの方が足を止めて、熱心に聞き入ってくださいました。

「てしごと市」などその他のイベントについては、改めてのちほど!

2009年11月28日土曜日

杉浦非水の眼と手


 現在、宇都宮美術館にて、企画展「<写生>のイマジネーション 杉浦非水の眼と手」が開催されています。担当の学芸員Mさんは昨年から何度も当館へ調査に来られており、当館からは170点にのぼる作品、資料が出品されています。
 先日、Mさんから図録を送っていただきました。植物図譜《非水百花譜》の図柄がシルエットで配されたケースの中には、上品な白い図録。装丁やレイアウトが美しいのはもちろん、非水の滞欧日記、雑誌等に発表された論考なども掲載し、資料としても大変な充実ぶり。Mさんや同僚の方々による、これまでの調査が見事に結実しています。展示のほうも、Mさんが早い時期から構想をあたためておられただけに、気になるところです。
 この展覧会は年明けの1月17日まで開催です。boxyも展覧会&餃子(宇都宮の名物だそうです)目当てに出かけてみようと思っています。

2009年11月23日月曜日

知られざる蔵山


本日、同じ愛媛県内にある町立久万美術館に作品をお貸し出ししました。今月28日から開催される「尋常を抜け居候―知られざる蔵山」という展覧会への出品のためです。

タイトルの通り、その実像がほとんど知られない、江戸時代中期の禅僧・蔵山貴謙(ぞうざん・きけん:1715-88)に初めてスポットを当てた展覧会だそうです(蔵山は、美術館のある久万高原町の生まれ)。
不勉強ながら、take4も、蔵山についてはほとんど情報を持ち合わせておりません・・・が、「伊予の三筆」の一人と称された能書家だった蔵山にスポットを当てることは、大変意義のある試みです!

あの正岡子規が「尋常を抜け居候」と絶賛した、蔵山の書。展示では、久万美術館の所蔵品を中心に、県内に伝来する作品も合わせて約10点が紹介されるそうですが、当館の作品(五言対句を書いた対幅の掛軸です)もそこに加えていただきます。

右は、担当の学芸員さん自らデザインされた展覧会のチラシ。右上のハートマーク(と「子規も絶賛★」のコピー)が効いてますねぇ!このワンポイントがあるだけで、とっても親しみがあってキャッチーになってます。素敵です。
書の展覧会って、イメージ作り(こうしたポスターやチラシのデザイン)や見せ方(展示構成)に、一苦労が要ります。しかも江戸時代の書ともなると、(想定以上に)渋ーくなることは必然。take4も、今春担当した「良寛墨宝展」では試行錯誤でした。
借用や貸出などで、他館の学芸員さんとお会いし、いろいろなご苦労話を聞くにつれ、悲喜こもごも盛り上がりますが、今回もご苦労がしのばれました。

久万美術館は、町の名産の杉の木を用いた、木造のぬくもりあふれる素敵な美術館です。萬鉄五郎や村山槐多などの優れた近代洋画のコレクションが特に有名ですが、今回のように書に関しても充実した展示も時折開催されています。どうぞ、当館所蔵品とともに、ご覧になってください。

2009年11月21日土曜日

ナイトミュージアムへようこそ

すっかり日没が早くなりましたねぇ。
夕方5時を過ぎると、もう真っ暗。
そんな季節ならではの愛媛県美術館の楽しみ方をお教えしましょう。

当館のオープンスペース(エントランスや展望ロビー)は、ガラス張りの構造になっているので、外光や天候がダイレクトに反映されます。館内に居ながら、四季折々の変化が楽しめるというわけですね。

さらに、間接照明になっていますので、夏の夕方はちょっぴり幻想的、また晩秋から冬の夕方はほの暗く、しっとりとした雰囲気になります(写真はデジカメでオートで撮ったので、感度が高めに写ってますが、実際はもう少しほの暗いです)。季節や時間に応じて、館内の雰囲気も変化していく・・・いかがですか?リピーターならではの楽しみ方ですね。

当館の閉館は18時(展示室入室は17:30まで)。ちょっと遅めに来て、展覧会を鑑賞した後、閉館まで展望ロビーでライトアップされた松山城を眺める❤❤うーん、ロマンティック。

特に冬場開催の展覧会は、日没する17時前後からは、混雑もなく、ゆっくりご鑑賞いただけますし。全国的には17時閉館というのが多い中(都会では夜間開館も定着しつつありますが)、この1時間ならではのオツな過ごし方をしてみるのもおススメです。お仕事帰りや外食の前に、ちょっぴりナイトミュージアムな気分を味わいにいらしてください。
12月12日開幕の「円空・木喰展」も、もちろん18時までご覧いただけます・・・って結局、宣伝になるのね。

2009年11月11日水曜日

ちりもつもれば

take4です。
一昨日・昨日の丸2日間、県内のある自治体の文化財調査にご同行し、お手伝いをしてきました。この地域に残る仏像の悉皆的調査です。県内にはまだまだ専門的な調査が実施されないまま、古い時代の優れた仏像が数多く眠っていると思われます。

普段は地元の寺院や小さなお堂で、信仰・祈りの対象として人々に守られている仏像ですが、専門的な調査が実施されることで、仏像自体の素性(伝来や様式的評価)が明らかになるだけではなく、寺院やその地域の歴史・文化的背景も解明される重要な資料になることも少なくありません。

という訳で、今回の調査では2日間で計4ヶ所を回って、採寸・撮影・調書作成を行いました。
ご本尊となっているお像ばかりなので、まずは一同合掌ののち、慎重にお厨子から下ろします。中には傷みがひどく、動かすと破損する恐れが認められるものもあり、そういうお像は無理には出さずに、可能な限りの採寸・撮影を行います。

ここまで本格的な仏像調査に参加するのは、学生の時以来ですかね・・・。
久々に緊張しましたが、この地域に伝来するものとしては、比較的古い時代の優れたお像をたくさん拝見・確認することが出来、勉強になりました。疲れるけど、やっぱり調査は楽しいですね。
研究も展覧会も、基本はこうした地道な調査の積み重ね。
真摯な初心に帰った気分の2日間でした。

2009年11月6日金曜日

10年の旅の終わり

take4です。
さる11月3日、yukinkoさんと2人で、奈良・唐招提寺での記念すべきある法要に出席してきました。
1998年から10年にわたって実施された金堂(国宝、天平時代)の全面的な解体大修理。この一大プロジェクトがこのほど終了し、さらに今年は唐招提寺創建1250年という節目の年にも当たります。その最後の集大成として、この11月1~3日にかけ、盛大な落慶法要が行われたのです。

この大修理の10年の間を利用して、「国宝・鑑真和上展」という展覧会が、原則毎年1会場ずつ全国各地を巡回したのですが、わが愛媛県美術館でも2003年2~3月に開催され、その会期中には実に9万人もの方にお越しいただきました。
今回の落慶法要には、この展覧会に携わった美術館・博物館及びマスコミ関係者もご招待を受けたので、yukinkoさんとtake4は愛媛県美代表として出席させていただいたという次第です。
10年の長きにわたるプロジェクトの完了と、鑑真和上が望んだ「共結来縁(=共に来るべき縁を結ぼう)」という言葉とがぴったりと重なり合った瞬間に立ち会うことが出来、この上のない喜びと感慨とをかみ締めたひとときでした。

さて。話は変わって。
そのまま2日ほど関西に滞在したtake4。秋の展覧会シーズンですので、当然、半分(以上)仕事の延長で展覧会をハシゴ。待ち時間2時間以上(!)という恐るべき、「正倉院展」と興福寺に帰った阿修羅像公開は、泣く泣く横目にスルーし、個人的に見ておきたかった滋賀・MIHO MUSEUMで開催中の「若冲ワンダーランド」へ。
昨年末のブログでもすでに書いておりますが、昨年新たに発見された若冲の「象と鯨図屏風」が、いよいよお披露目される!展覧会はこの奇抜極まりない作品を軸にし、また従来の「オタク」的な人物像を全く覆す新資料の紹介など、これまでの若冲展とは切り口を変えたユニークな構成で、とても面白かったです。しかし、まだまだ新しい作品って出てくるものなんですね・・・「象と鯨図屏風」以外にも新出作品がたくさん。企画・担当の方々のご苦労を、随所にお察しいたしました。

で、こんなところにもさらなるお楽しみが!館内のカフェで、「象と鯨図屏風」をイメージした特別デザートを発見し、あまりの可愛さにこれは食べずにおくべきか!ということで、同行の友人としっかりいただいて参りました(左は図録)。象のほうは胴体がクレープ包みで顔がクッキー、そして何とも言えない「ゆるキャラ具合」が絶妙な鯨は、中にブルーベリーのムースが入ったレアチーズケーキ。噴き出す背中の潮もクッキーで作ってあったりして、芸が細かい!やられました。

いやはや、素敵なセンスですよねぇ。他所の美術館・博物館のレストランやカフェでの、こうしたアイデアと遊び心豊かな試みに触れると、とってもうらやましい!と思うとともに、刺激もされます。こういうの、ウチでもやってみたいよなぁ。

2009年11月1日日曜日

スウィート・ノベンバー

今日から11月です。
ついこの間まで、夏だ、海だ、タツノコだ!と騒いで(?)いたのに・・・見渡せば周りはしっとりと秋めいてきました。そりゃそうですよね。
でも、昨日の気温は25度くらいまで上がったり・・・と気温の変動も不安定な時期。皆さんも体調管理には十分お気をつけください。

美術館の建つ堀之内公園も、夏頃は工事車両が行き交い、土ぼこり舞う空き地だったのに、整備がずいぶんと進み、こんな風に芝生の広がる爽やかな景観になってきました。今日は生憎の雨模様ですが・・・木々も少しずつ色付き始めているのがお分かりいただけますでしょうか。

さて。企画展「ピカソと20世紀美術の巨匠たち」も、南館で開催中の秋季県展も、ともに残り1週間(11/8まで)となりました。ということで、今日も足元が悪い中にも関わらず、新館・南館ともに大勢のお客さんがいらっしゃっています!

さらに、take4含め学芸スタッフがうれしく思うのは、企画展鑑賞のあと、多くの方が2階の常設展示室(所蔵品展)へも足を伸ばしてくださっていることです。今回の企画展は出品作品数が60点と、いつもに比べるとゆったりとご覧いただけるせいでしょうか。所蔵品展でも、熱心に立ち止まったり、感想を述べ合いながら鑑賞される方々をたくさん見かけます。ありがたきシアワセ(涙)。

芸術の秋本番。どうぞ美術館へ。

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