数日前から大寒波がやってきたおかげで、かなり寒くなりました。
年末らしいと言えば、らしい気候ですけどね。今年も早いものであと10日あまり・・・。
「円空・木喰展」は、今日で開幕1週間を迎えましたが、そんな寒さもものともせず、今日はこれまでで一番多くの来館者がありました!
おかげさまで、14時から開催したtake4によるフロアレクチャーも千客万来!
開幕して最初のレクチャーでしたので、ペース配分もまだつかみきれない状態で、あれこれ取り留めなくお話してしまったにも関わらず、皆さん最後まで脱落されることなく、熱心に聞き入ってくださり感謝感激です(泣)。
なお来週26日のフロアレクチャーは、yukinkoさんが担当です。
さて。今回は、まだ会場についての詳しいお話をしてませんでしたね・・・これからお越しになられる際の予習・心構え(?)として、ご参考にしてくださればと思います。
この展覧会は、全国3会場を巡回する(愛媛が最後の会場です)もので、出品作品そのものはどの会場も、数件を除いて同じ内容なのですが、愛媛では独自の構成に一部アレンジしています。

会場に入ったすぐ最初のエリア(上の写真)は「愛媛の円空仏、木喰仏」というコーナーです。
愛媛県内には、円空仏が1体、木喰仏が2体伝来しています。円空仏、木喰仏自体が愛媛で公開されるのは今回が初めてなのですが、さらに言えば、県内に伝来するこれらの像が県内の展覧会で公開されるのも初めてなのです。ダブル初!
両者の仏像が愛媛に残っているということは、これまで広くは知られていませんでしたので、これらのすぐれた文化財を公開し、多くの県民の皆さんにその魅力を知っていただければ・・・という思いで、今回は特別にピックアップして展示させていただいています。

円空は、こちらの小さな「観音菩薩」。四国に唯一のこる円空仏でもあります。明治初期までは四国中央市土居町の山田観音堂という小さなお堂に安置されていましたが、それ以前の伝来は残念ながら全く分かりません。
円空が近畿より西を訪れたという史料上の記録はないので、四国に来たかどうかも未だ謎のままですが、この像はその可能性を示唆する興味深い作。
もとは山岳修験者であったと伝わる円空ですので、四国の霊峰・石鎚山を訪れ、その際に作ったものかもしれません。想像は膨らむばかりですが・・・。
対する木喰は、同じく四国中央市の光明寺に「子安観音菩薩」と「如意輪観音菩薩」の2体が残っています。
木喰の場合は、自筆の宿帳(旅日記)が残っていて、行脚の詳しい行程がたどれるのですが、生涯に2度四国を訪れ、四国遍路を巡っています。光明寺の2体はいずれも2度目(82歳)の来訪時の作。
写真の「子安観音菩薩」は、もともと境内に生えていた槙の自然木に像を彫り込んだ「立木仏(たちきぶつ)」と言われるもの。後世に現在のように切り取られたようですが、しばらくは自然木のまま成長していたせいで、像の周りの表皮が内側に巻き込んでおり、まさに「木の中に仏が住んでいる」という神秘的な表現になっています。ちなみに木喰の立木仏は全部で9体が全国で確認されていますが、うち3体は現在も青々と葉を茂らせていて、中の像がほとんど木の中に埋もれてしまっているものもあります。
この光明寺の立木仏は、数ある木喰仏の中でもひときわ印象深い像として従来知られてきましたが、2006年秋に東京国立博物館で開催された「仏像 一木に込められた祈り」に出品され、一躍著名になったものです。今回ようやく愛媛での公開が叶いました!
普段は全国各地に点在している両者の像が、ここまで一堂に会するチャンスは一生に一度あるかどうか(大袈裟でなく!)。
特に円空に比べると、木喰はまだまだ一般的な知名度は劣りますが、今回の展覧会を機に、愛媛の皆さんにその魅力が広く深く伝わるように願っています。