愛媛県美術館のブログ

愛媛県美術館の日々の活動をちょっとずつ書き込んでいます。 美術館の事業準備状況、イベント報告、ある日の出来事などなど、美術館の活動を垣間見ていただけるように頑張ります。

2010年2月7日日曜日

石に描く~ミルコトカラハジマル


ただいま開催中の展覧会「ミルコトカラハジマル」の関連イベントとして、昨日、出品作家の近藤英樹さんのリトグラフの公開制作「石に描こう」が開催されました。

リトグラフという言葉は耳にしたことがあっても、実際その工程を知る人は少ないのではないでしょうか。
リトグラフは版画技法の1つで、木版や銅版のように凹凸をつけて物理的にインクがのる部分とのらない部分をつくるのではなく、油性の描画財で描き、水と油の反発作用を利用した化学的な技法になります。

言葉だけではわかりにくいですよね。
ということで、今回、自作に用いられているリトグラフの制作を公開していただきました。

通常、版材には近藤さんはアルミ板を使われているのですが、今回は、リトグラフが石の版画を意味するように、石を使ってのリトグラフとなりました。
日本では入手困難な石版石は、もちろん当館にはないので、特別に横浜美術館よりお借りしました。
それは、重さが75㎏程、何しろ男性2人がかりで運ばなければならないものです。

最初に版面の研磨。
続いて、描画。石版石に油性のリトクレヨンや解墨使って、近藤さんが“くわい”らしきものを描いた後、見学者のみなさんにも一筆ずつ描画してもらいました。油性のものならなんでもいうことで、試しに口紅で描かれる方もいました。
続いて、製版。この工程により描画部分はインクをひきつけやすく、描画してない部分は保水性を保ちインク(油)をはじく化学反応を起こさせます。表面的には何の変化もないので、みなさんマジックを見るような表情で近藤さんの作業を見つめていました。
本来、製版は版を安定させるためにも1日時間をおくところ、今回は、時間短縮で進めていただきました。
そういうことで、早くもお待ち兼ねの刷り。
紙、インクの準備が済むと、ローラーで版にインクを盛っていきます。そして、刷り。本当に描いたところが見事に紙に写しとれているではありませんか!
何枚か試し刷りをしていくとインクが版にも馴染み、いい状態の刷りに仕上がり、思わず会場に拍手が沸き起こりました。
ローラーでのインク盛りの体験を、近藤さんが見学者に呼びかけると、最初に元気よく手を上げてくれた小学1年生の男の子。小さな体で頑張ってくれました。


リトグラフの色の透明性、(色版を重ねることで)紙の上で色をつくれるところに魅力を感じ制作を続けている近藤さん。近藤さんの作品を見るとその理由がよくわかります。

                                                                        ←男の子のお姉ちゃんも刷りに挑戦! 

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