愛媛県美術館のブログ

愛媛県美術館の日々の活動をちょっとずつ書き込んでいます。 美術館の事業準備状況、イベント報告、ある日の出来事などなど、美術館の活動を垣間見ていただけるように頑張ります。

2010年3月30日火曜日

Spring has come !

3月も明日でおしまい。新しい年度が始まります。
旅立ちと新しい出会いの季節。美術館でも、多くの”さよなら”と”はじめまして”がやってきます・・・。

さて、所蔵品展(常設展示)のほうも、一足早く、今日から装い新たになりました。
新年度一発目の特集展示は「旅ゆけば―画家と歩く風景」です。
日本画・洋画・現代美術の別を問わず、江戸時代から現代までの作品を通じて、画家たちが訪れ、見つめたさまざまな土地・場所に、私たちも旅してみましょう!という企画です。

展示は「1 異国をゆく」「2 日本をゆく」「3 理想郷をゆく」の3部構成。
国内外の実在の土地・場所に始まり、最後は画家の心の中の理想郷(心象風景)まで・・・画家たちにとって「旅」とはどのような行為なのかを、作品から感じ取っていただければ幸いです。

「日本をゆく」のコーナーでは、これぞ日本を象徴する風景ということで「富士山」を描いた作品を一堂に集めてみました。富士山からは遠く離れた愛媛ですが、何故か所蔵品には、富士山を描いたもの(しかも愛媛出身の画家の作)が意外と多いのです。

北斎・広重の衣鉢を継ぐべく、近代の木版画家たちが挑んだ富士連作とか、このたび新しく寄託になった江戸初期の「武蔵野図屏風」とか。これだけ並ぶと壮観です。


そして旅の終わりは、画家の心に広がる風景へ・・・。
江戸~近代初めの山水画(文人画)は王道ですが、畦地梅太郎の山の版画シリーズ、真鍋博の未来図、猪熊弦一郎のニューヨークをテーマにした抽象画など、これらも一種の「理想郷」の表現だよな・・・と考え、半ば強引にまとめてみましたが、なかなか面白い展示になったのではと自負しております。

他にも、西洋美術のコーナーでは、所蔵の彫刻作品を一挙公開しております!
これまであまりなかった機会ですので、こちらもお見逃しなく。
ということで、春の新しい所蔵品展は今日から5月30日(日)まで開催中でーす。

さてさて、こちら、新年度第1弾の企画展「ネオテニー・ジャパン」のほうは、4月7日(水)開幕。明後日からは、展示作業がスタートします。
すでにテレビCMもたくさん流れているので、心待ちにされている皆様もいらっしゃるかと思います。あと少しだけお待ちください!

2010年3月26日金曜日

できちゃった

新年度の年間スケジュールリーフレットが完成しました。
これまで「みるん?」(展覧会スケジュール)、「するん?」(教育普及プログラム)の双子だったのが、予算等もろもろの事情により(ちなみに、今年度は「するん?」一人っ子でした・・・)、今回は合体してリニューアル。
合体&両面になることで、結果的には見やすくなったですかね?

表紙は、ビビッドな青(担当してくれたデザイナーさん曰く”カワセミブルー”という話題の流行色らしい)。
明るく、爽やか、かつ品もあり。いい出来上がりです。

先ほど、早速、館内各所に配置しました。今後は随時、県内外の美術館などでも目にすることがあるかもしれません。
是非、お持ち帰りいただいて、ご来館の計画を練ってくださいませ。

なお、展覧会スケジュールについては、ホームページにも掲載しました(こちら)。
普及プログラムのほうも、近日中には掲載予定です。

2010年3月24日水曜日

今年(度)の汚れ、今年(度)のうちに

一昨日で閉幕した「みづゑのきらめき」展。
予想以上に多くの皆さまにご覧いただくことができました。ありがとうございました。
(いつものごとく)名残惜しむ暇もなく・・・昨日のうちに撤去・梱包作業はつつがなく進み、今朝方、作品を積み込んだトラックに、担当のboxyさんも同乗して、一路島根は石見美術館へ向け出発。春雨のそぼ降る中、take4もお見送り。さようなら、大下藤次郎。


さて、みづゑ展は常設展示室を使用して行っていましたが、来週30日からは、通常通りに所蔵品展が再開されます。その展示作業は明日から始まるので、今日一日は常設展示室は空っぽ状態。
普段なら、常設展示室はなるべく閉室期間を少なくするために、撤去作業と展示作業とを同時進行で行います。従って、今回のようにすっぽりと丸一日、空っぽ状態というのは、実はめったに起こらない事態なんです(対して企画展は、どうしても作業が大掛かりになることが多いので、当館の場合、前の展覧会最終日から次の展覧会スタートまでは、最低でも10日はあけています)。

ということで、実は、この空白の1日にしか出来ない(=だからこそ出来る)作業があるのです、それは・・・。

ご覧のような、ウォールケース(壁付きガラスケース)内の掃除。
当然、中に作品があったら出来ませんよね。毎日の館内清掃を委託している業者さんにも、外面はともかくも、もちろんお願いできませんので、必然的に自分たちでやるしかない(やるべき)箇所。
ということで、今日しかないっ!!! とばかりに、トラック出発を見送った余韻に浸る間もなく、すぐさまクリーニング大作戦へ突入。数週間前から、職員何人かに声を掛けておいたので、準備万端・気合十分。

写真をご覧のとおり、当館のウォールケースは高さも横幅もかなりあります(写真はまだ作業し始めた地点。ケースはまだまだ左側に20メートル以上続いています)ので、脚立に登っての、このスタイルの作業が基本。

結局、一同、お昼以外は休憩なしで、黙々と没頭し・・・気付けば日暮れ時。
まあ、その甲斐ありまして、ピッカピカに★
やはり作品を美しく見せるには、こうした地道な気遣い・努力が基本ちゅうことです。
これで気持ちよく、新年度一発目の所蔵品展が迎えられそうです。
明日からは、引き続き肝心の展示作業・・・筋肉痛がコワイ。

2010年3月20日土曜日

成仏しなはれ

普段は静かな収蔵庫に、謎の白い軍団・・・。
ただならぬ物々しい雰囲気ですが、何かと申しますと、今日は朝から燻蒸(くんじょう)作業を行っています。
「燻蒸」とは、薬剤ガスを使って、殺虫・消毒を行うこと。
当館では、年に一度、虫やカビが繁殖しやすい夏場にこの燻蒸作業を行って、作品保存につとめていますが、今年は年度末に新しく購入・寄贈となった作品がいつになく多く、それらはきちんと燻蒸してからでないと、収蔵庫に搬入できません。 という訳で、急遽の作業となりました。

新顔の収蔵品の皆様方。
見えないところに虫やカビが付いているやもしれません。
しばし我慢くだされ。


検査サンプル用のコクゾウムシの諸君もセッティング完了。数時間後には、成仏なさいます・・・。




いざ投薬開始。take4も収蔵庫の外で見守ります・・・。このあと、薬剤が十分にまわるように、夕方まで密閉。ガスを排気してから、先ほどのコクゾウムシ諸君の見事な殉職を見届けたら、作業完了です。

なお、めでたく今回コレクションの仲間入りを果たした作品たちは、6月4日から開催の「平成21年度新収蔵品展」にてお披露目予定です。しばしお待ちください。

2010年3月14日日曜日

バギーでGO!GO!

yukinkoです。今日は現在、開催中の「みづゑのきらめき展」会場を中心に、「お父さん、お母さんのための対話型鑑賞プログラム“赤ちゃんと一緒に美術鑑賞!バギーツアー”」を開催しました。写真は午前の部の様子ですが、今回は4組(毎回5組限定です)の計9名の方の参加がありました!  このバギーツアー、内容はふだん美術館で行われているコレクショントーク と何も変わるところはありません。が、あえて違うところがあるとすれば、なんといっても「赤ちゃんが中心」というところでしょうか。赤ちゃんが途中でむずかったり、また、授乳が必要な場合はツアーから気兼ねなく離れて託児室や赤ちゃん用トイレ等を利用して頂き、また遠慮なくツアーにカムバックしてください♪、ということをお伝えしています。(下の写真は託児室の様子です)
 と、いうことで展示室入り口前で、美術館で「やっていいこと・悪いこと(美術館のルール)」と、“このツアーでは作品について各自思ったことを大いにしゃべるべし!”という確認&打ち合わせを参加者全員で行ったところでまずは「みづゑのきらめき展」会場へGO!。最初は大下藤次郎の水彩画の作品2点(今日は《松》と《寄居》という作品でした)を使って、みなさんと一緒にディスカッションを行いました。
  先程もお話しましたが赤ちゃんが中心のこのツアー、いつもの環境とちょっと違う展示室内(ちょっと暗い、ちょっと怖い)にやはりびっくりしてしまった赤ちゃんもいました(ごめんなさい)。と、いうわけで一組、途中から抜けられ託児室へGO。落ち着かれたらまた戻ってきてねと見送った後で向かった本日のオオトリ作品は・・・ ・・・当館所蔵のモネの《アンティーブ岬》の前です。実は今日のツアー、このモネの作品ととてもよく似たアングル、モチーフを持つ、大下の作品とを連続して「みる」という形で行いました。3つの作品を鑑賞しながら、参加者のみなさんからでたキーワードは「風景」「浮世絵」「日本・・・日本?」「空気感」「旅」・・・そして「ディスカッションするのって面白いですね」等々。とても楽しい、面白いトークの場となりました。 (★途中で抜けられたhさん&mちゃんも、モネの作品トークが始まる頃には、またカムバック!。とても、するどいお話をして頂きました。)
 この赤ちゃんと一緒に作品鑑賞・バギーツアーは今後さらに検討を行ってパワーアップして行く予定です。乞うご期待! 

2010年3月12日金曜日

拝啓

ただ今、所蔵品展ではミニミニ企画としまして「作家たちの便り」という特集展示を開催中です。
タイトル通り、画家・作家たちによる手紙(書簡)や絵はがきなどを紹介しています。
どんなものがあるかというと・・・



松尾芭蕉が、雪の信濃路から出した俳句付きの風流なお手紙とか。








正岡子規が、お弟子さんからお菓子を贈られた時のお礼状とか。










杉浦非水が、奥様にしたためた超ローング・ラブレターとか(しかも全文ピンクのインクで書いたものも・・・ラブラブ❤)。





この他、非水関連では、さらに非水宛あるいは非水が書いた年賀状あれこれなども。
宛名の豪華な顔ぶれを見ていると、交友の広いこと。そしてどれもシャレてるっ。さすがぁ。


まさか、プライベートな私信が、自分の死後にこんな風に公衆の面前に晒されるとは・・・作家たちは想像だにしなかったでしょうが、芸術家・著名人の宿命。でもやっぱり、センスのある人は、何をしても決まるものですね。
飾り気ない文面からは、素顔が垣間見えます。ささやかな展示ですけど、どうぞお越しください。
3月28日(日)までです。


2010年3月10日水曜日

ミルコトはツヅク


先月、ミルコトカラハジマルの展覧会が終わりました。
毎週ワークショップ等のイベントがあり、会期はあっという間に過ぎてしましました。
そして、先週、最後のお仕事、出品作家などの借用先への作品返却の旅が始まりました。

3月2日(火)
県内の画廊、個人宅への作品返却後、松山市在住の三野計さん宅にうかがいました。
アトリエでは、次の展覧会に向けて新たな作品制作に取り組んでいました。

3月6日(土)
私にとって初めてのトラック同乗での長旅。
普段ならまだ布団の中である時間帯に出発、おまけに生憎の雨。
まずは、大阪にアトリエを持つ山本修司さん宅へ。
今回の展覧会でつながった作家や美術館のネットワークを生かして、何か新たな展開につなげたいと語っていました。

3月7日(日)
午前、横浜美術館で近藤英樹さんと再会。
近藤さんの公開制作で使用した石版石などを美術館に返却し、近藤さんの作品も美術館にて引き渡しました。
「また、愛媛県美術館で展覧会を開催してもらえるよう、有名な作家になるようがんばります。」と意気込みを語ってくれました。

午後、東京都内の村上保さん宅へ。
愛犬小六を連れてお出迎え。
降り続ける雨の中、シートをかぶせて作品を自宅へと運び入れました。
今回、愛媛で彫刻の作品での展覧会ができたことを喜んでいました。

3月8日(月)                                 真鍋さんの宝物 ↓
都内、埼玉の画廊への返却を済ませた後、茨城の真鍋武さん宅へ向かいました。
幼稚園を改造しての自宅兼アトリエに作品を返却。
少し休憩をということで、お茶をいただきながら、植物収集の始まりとなった収集物を見せてくれました。整理棚の引き出しには各地で拾い集めた、石や砂、レンガのかけらなどが宝物のように並べてありました。ほかにも鉄のオブジェなど真鍋さんの創作の原点がうかがえるものを拝見しました。
今回の展覧会を含め、愛媛での展覧会はほかの場所とは違う安堵感があり、その安堵感をうまく利用した展覧会を愛媛ではやっていきたいと語っていました。
                                      
 *  *  *  *  *  *  *  *  *  *
ミルコトカラハジマルは終わりましたが、それぞれの作家もすでに次なる制作、活動に向けて動き始めているようです。
美術館としても今後のみなさんの活躍を期待し、応援していきたいと思っています。

2010年3月7日日曜日

昔とった杵柄?

本日、「みづゑのきらめき」展関連イベントとして、展覧会の根幹となっている多くの大下藤次郎作品をお貸しくださった島根県立石見美術館の川西由里学芸員を講師に記念講演会を開催しました。
演題は「明治のマルチタレント 大下藤次郎」。極めてマジメで端正な水彩画家というイメージが強い大下ですが、その実、素顔はとっても多彩でユーモアがあって、お茶目。
そんな側面を、川西さんは「マルチタレント」と名付け、数々のエピソードを紹介してくださり、魅力ある画家像が浮かび上がってくるお話でした。

今後の会期中、13日と20日には、フロアレクチャーが予定されていますが、13日はtake4が担当します(20日は再びboxyさんです)。
日本画担当のtake4ですが、何を隠そう(隠してないけど)、学生時代のある一時期、大下含め明治の水彩画について、勉強しなければならないことがありまして、そんな訳で大下は個人的にもつながりの深い(?)存在です。
まさか、こんな風に、大下と再会することになるなんて・・・昔とった杵柄?これも何かの縁でしょうか。
なので、今日のお話を聞きつつ、自分のレクチャーの予習もひっそりと。

うーん、確かにマルチだ。
異様なメモ魔だったり、旅先からわが子に宛てた絵はがきの文面にみられるお茶目な素顔が、個人的にはツボ。
それを踏まえると、美しい風景画が、ますます深く、そして面白く見えてくるから不思議です。

2010年3月2日火曜日

春の雨

 このところ暖かくなってきたものの、雨が多いですね。
 「みづゑのきらめき」展もそろそろ会期半ばとなります。来場者にはじっくりと作品を見てくださる方が多く、嬉しい限りです。1階のミュージアムショップでは本展にあわせて大下藤次郎、中川八郎作品の絵葉書や、大下に関する貴重な研究書も扱っていますので、ぜひ展覧会の後にのぞいていただきたいものです。
 雨の降る日、水彩画をとおして明治時代の古き良き日本に思いをはせるのもまた一興ではないでしょうか。

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